PNHについて調べる検査

臨床検査値を知りましょう

からだの中で起こっている変化のすべてが自覚症状としてあらわれるわけではありません。
そのため、自覚症状だけでなく、臨床検査値の変化を知ることが大切です。からだの中で起こっている変化を知るために役立つ臨床検査値には次のような項目があります。

乳酸脱水素酵素(LDH)値
赤血球の中にある酵素です。溶血によって血液中に放出されるため、血液検査でLDH値を測定すれば溶血の程度がわかります。また、合併症の発症リスクを評価するときにも役立ちます。からだの中で起こっている変化を知るために、LDH値を定期的に検査することが大切です。

赤血球数
酸素を全身へ運び、体内から二酸化炭素を取り除く働きがあります。赤血球の数は、溶血や貧血赤血球の数や、赤血球中のヘモグロビン(酸素を運ぶタンパク)の量がすくない状態で、脱力感や疲労感を感じることがあります。の程度と関連しています。

ヘモグロビン値赤血球内にある赤褐色のタンパクです。全身に酸素を運びます。赤血球の外に出ると有害物となり、からだに重大な悪影響を引き起こすことがあります。
全身に酸素を運ぶ赤血球の中に存在します。ヘモグロビン値が低いと、貧血を引き起こし、脱力感や疲労感を感じることがあります。

ヘモグロビン値だけではわからないことがあります

ヘモグロビン値は、PNHでよくみられる症状のひとつである「貧血」を調べるために使われる検査値です。しかし、貧血は再生不良性貧血(AA)“再生不良性”とは、骨髄が新しい血球を必要なだけつくれないことを意味します。再生不良性貧血では血球(赤血球、白血球、血小板)が減少します。国際的な研究では、PNH患者さんの43.5%に再生不良性貧血が認められると報告されています。骨髄異形成症候群(MDS)骨髄機能の異常によって、正常な造血が行えなくなる病気です。国際的な研究では、PNH患者さんの5.8%に骨髄異形成症候群が認められると報告されています。などほかの病気でもみられます。ヘモグロビン値の検査だけでは、PNHを診断できません。PNHでは、LDH値も記録することが大切です。

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